先週末、1日で20%近く急落したトルコの通貨リラは、週明けの外国為替市場でさらに下落し、通貨安に歯止めがかかっていません。
トルコの通貨リラは、アメリカ人の牧師をトルコの当局が拘束していることに反発して先週、トランプ大統領がトルコからの鉄鋼製品などの関税引き上げを決めたことをきっかけに急落しました。
10日の外国為替市場でトルコリラは、一時、1ドル=6.8リラ台まで下落し、1日だけで20%近く値下がりしました。
週明けの13日も下落が止まらず、早い時間に取り引きが始まるオセアニアの市場では、一時、1ドル=7リラ前半まで売られ通貨リラは最安値を更新しました。
その後、トルコ中央銀行が、市場の動揺を抑えるためトルコの民間銀行に十分な資金を供給する対策などを発表したことで、ロンドン外国為替市場では1ドル=6リラ台後半まで戻していますが、通貨安に歯止めがかかっていません。
市場関係者は「トルコのエルドアン大統領がアメリカに対する強硬姿勢を崩していないうえ、市場は、中央銀行の対策は十分ではないと受け止め、トルコリラを買い戻す状況になっていない」と話しています。
一方、トルコリラの急落を受けて13日のヨーロッパの主な株式市場ではトルコと取り引きのある金融関連銘柄を中心に株価が値下がりしています。
日本時間の午後6時現在の株価指数は、先週末の終値と比べて、ロンドン市場とドイツのフランクフルト市場でおよそ0.5%、パリ市場でおよそ0.2%、それぞれ下落しています。
-- NHK NEWS WEB