出産を機に仕事を辞めてしまう女性は年間20万人に上り、これにともなう経済的な損失はおよそ1兆2000億円に達するとする試算がまとまりました。民間のシンクタンクは、育児休暇のさらなる充実など女性が働き続けられる環境整備の重要性を指摘しています。
これは、第一生命経済研究所が、厚生労働省の出生動向基本調査などのデータをもとに試算しました。
それによりますと、1年間に出産を機に仕事を辞めてしまう女性は、正社員やパートなどすべて合わせるとおよそ20万人に上るとしています。
そのうえで、こうした女性たちが仕事を続けていれば得られたはずのおよそ6000億円の収入が失われるほか、キャリアを持った女性が退職することで企業の生産性が低下する影響などでもおよそ6000億円の損失が生じるとしています。
こうしたことから、経済的な損失額は全体でおよそ1兆2000億円に達すると試算しています。
また、子育てが一段落してから再就職しても、収入の低下に直面するケースが多く、そのことも経済の成長力をそいでいると指摘しています。
第一生命経済研究所は「女性が出産後も働き続けられるよう、育児休暇のさらなる充実や保育施設の整備などの環境づくりが重要だ」としています。
-- NHK NEWS WEB