マレーシアは、政権交代に伴い、中国の巨大経済圏構想の「一帯一路」の一環として中国企業がマレーシアで受注した大型のインフラ事業を、「費用が高すぎる」として、停止しました。マハティール首相は、20 日、中国の李克強首相と会談したうえで事業停止に理解を求めました。
マレーシアのマハティール首相は、ことし5月に就任してから初めて中国を訪れていて、20 日、北京の人民大会堂で李克強首相と会談しました。
会談後の共同記者会見で、マハティール首相は、両国の協力関係を深めたいと強調した一方で、「中国はマレーシアが抱える財政問題を理解し、手助けしてくれると信じている」と述べました。
これは、中国の巨大経済圏構想の「一帯一路」の一環として中国企業がマレーシアで受注した大型のインフラ事業について、マハティール首相が「費用が高すぎる」として前政権のもとで進められてきた事業を停止したことなどへの理解を求めたものです。
一方、李首相は、「中国は、マレーシアとウィンウィンの関係を実現させたい」と述べ、双方の国益にかなう形で経済協力を深める考えを強調しました。
中国側は、北京での会談に先立ち浙江省にある中国のネット通販最大手「アリババ」の本社にマハティール首相を招くなど手厚くもてなしていて、インフラ事業停止への反発は控え、マレーシアとの経済関係強化を続けたいという姿勢を示しています。
-- NHK NEWS WEB