最新の技術を活用して人手のかからない農業を実現しようと、大手商社がAI=人工知能を搭載した自動運転のドローンで農薬をまく大規模な実験を宮城県登米市で始めました。
この実験は、大手商社の住友商事が宮城県登米市のJAと協力して行い、20日、その様子が報道陣に公開されました。
実験はAIを搭載した自動運転のドローンを使って行われます。このドローンは、カメラで田んぼの形を認識して稲の穂先から30センチ上空を正確に飛行し、撮影した画像から稲の生育状況などを見極めて、必要な量だけ肥料や農薬を散布できるということです。
こうした機械の開発には、田んぼの土壌や気象情報など膨大なデータが欠かせないということで、大手商社では登米市の田んぼで実験を重ね、来年にはドローンを販売することにしています。
実験に参加する農家の千葉翔太さんは、「これまでの農業は経験と勘に頼っていたが、ドローンでしっかりデータを取って、作業の効率化を進めたい」と話していました。
住友商事アグリサイエンス部の銕智明部長は、「高齢化で離農する農家が増え、農作業の省力化が避けられない状況になっている。先進的な技術を農業の現場に根付かせたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB