原子力発電所で使われた核燃料を入れる金属製のケースの一部に欠損しているものが全国で325体あることがわかりました。いずれも再稼働していない原発のものですが、電力各社は、安全性に影響を及ぼす可能性は極めて低いとし、原子力規制委員会も、使用は問題ないとしています。
この問題は、6年前、東北電力の女川原子力発電所で、核燃料の集合体を入れた金属製のケースの一部に欠損しているのが見つかり、国が、同じタイプの沸騰水型と呼ばれる原発を持つ電力会社6社に同様の欠損などがないか調査を指示していたものです。
22日開かれた原子力規制委員会の定例会で、核燃料の集合体合わせて3万2434体で金属製のケースの溶接に問題があり、このうちおよそ1%にあたる325体に欠損が見つかったことが報告されました。
いずれも6年以上前に使われたもので、再稼働した原発のものはありません。
電力各社は、試験などの結果、安全性に影響を及ぼす可能性は極めて低いとして、再稼働の際には、欠損や溶接に問題のあったケースも使用する意向だということです。
原子力規制委員会も、使用は問題ないとしていますが、検査などを通じて異常がないか確認することにしています。
-- NHK NEWS WEB