かつて世界一の処理速度を誇った日本のスーパーコンピューター「京」の後継機の頭脳となる、これまでの20倍の速度で演算ができる「CPU」と呼ばれる装置が完成しました。
完成したCPU=中央演算処理装置は、縦横が6センチの半導体で、開発した電機メーカーの富士通によると、「京」のCPUに比べて20倍の速度で演算ができるということです。
このCPUをつなぎ合わせることで、後継機の処理能力を最大で「京」の100倍にすることを目指しています。
「京」は理化学研究所と富士通が開発し、2011年には世界一の処理速度を記録しましたが、その後、中国やアメリカが開発したスーパーコンピューターに追い抜かれ、来年度中に運用を停止することになっています。
このため、「京」の後継機は2021年ごろの運用開始を目指して開発が進められていて、局地的な豪雨や竜巻の発生の予測精度の向上や、AI=人工知能による新薬の開発などへの活用が期待されています。
富士通の次世代テクニカルコンピューティング開発本部の新庄直樹本部長は「京の後継機は、今まで以上に詳細なシミュレーションが可能となり、さらに社会に貢献したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB