アメリカのトランプ政権は、中国からの160億ドルの輸入品に高い関税をかける第2弾の制裁措置をまもなく発動します。中国も、アメリカからの同じ規模の輸入品に同時に報復の関税をかけて対抗し、米中の貿易摩擦は一段と激しくなります。
トランプ政権は、中国がアメリカ企業の技術などを不当に手に入れて、知的財産権を侵害しているとして、日本時間の午後1時すぎに、通商法301条に基づいて中国からの160億ドルの輸入品に25%の関税を上乗せします。
対象はプラスチック製品や半導体、光ファイバーなど279品目で、先月すでに発動した制裁と合わせると、規模は500億ドル(日本円でおよそ5兆5000億円)に引き上げられます。
これに対して中国も、同時にアメリカからの航空燃料や、ディーゼル車、医療用機器など333品目に同じ規模で報復の関税をかけて対抗し、米中の貿易摩擦は一段と激しくなります。
アメリカのロス商務長官は22日、CNBCテレビのインタビューで「アメリカ経済の成長は加速している。中国の報復が打撃になるとは思っていない」と述べ、強気の姿勢を崩しませんでした。
トランプ政権は、さらに2000億ドル規模の輸入品の関税を引き上げる手続きも進めています。
米中両国は、6月以降途絶えていた貿易問題をめぐる協議を22日からワシントンで再開しましたが、激しくなる一方の摩擦を解消する糸口を見いだせるかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB