東京・多摩市の建設中のビルで作業員5人が死亡した火災で、当初の計画にはなかった仮設の柱の鉄骨が設置され、その切断中に火災が起きていたことが警視庁への取材でわかりました。警視庁は、業務上過失致死の疑いで関係先として準大手ゼネコン「安藤ハザマ」の本社を捜索し、計画が変更された経緯などを調べています。
関係先として捜索を受けたのは、東京・港区赤坂の準大手ゼネコン「安藤ハザマ」の本社と多摩市の現場事務所で、捜査員およそ60人が捜索に入りました。
先月26日、東京・多摩市で建設中のビルの地下3階から火が出て、作業員5人が死亡、40人余りがけがをした火災で、警視庁は、当時、作業員がバーナーで鉄骨を切断中に飛び散った火花が断熱材として床下に敷き詰められていたウレタンに燃え移ったとみて調べています。
警視庁がこれまでに押収した作業の工程表では、断熱材として燃えにくい不燃性のウレタンが使われる予定だったのが、作業を進める中で燃えやすいウレタンに変更されていたほか、その後の調べで、バーナーで切断していた仮設の柱についても当初は設置する予定がなかったことがわかりました。
火災はこの仮設の柱を撤去するために鉄骨を切断中に起きていて、警視庁は、計画が変更されたことで十分な安全管理ができず、被害が広がった可能性があるとみて調べています。
-- NHK NEWS WEB