中国の大手通信機器メーカーZTEはことしの中間決算を発表し、北朝鮮などに違法に通信機器を輸出した問題でアメリカから制裁を科されたことから、最終的な損益が日本円にして1200億円余りの赤字に転落しました。
ZTEが30日発表したことし1月から6月までの中間決算によりますと、最終的な損益が78億人民元、日本円で1200億円余りの赤字で、前の年の同じ時期の22億元余りの黒字から赤字に転落しました。
これは米中の貿易摩擦が激しくなる中、ZTEが北朝鮮やイランに違法に通信機器を輸出した問題で、アメリカ政府からアメリカ企業との取り引きを禁止する制裁が科され、先月に解除されるまでの3か月間に渡り、スマートフォンの製造など主力事業が停止に追い込まれたことが主な要因です。
これに先立って、今月28日に開かれた臨時の株主総会では、中国メディアによりますと経営側が「生産はすでに正常な状態に回復していて、次世代の通信規格『5G』の試験のスピードも戻っている。今後は半導体のチップなど主要部品の自主開発に力を入れたい」と強調しました。
ただ、5Gをめぐってはオーストラリア政府が、外国政府の干渉を受ける可能性があるとして、5Gの整備事業にZTEが参入することを禁止する方針を発表するなど、ZTEにとっては厳しい状況が続きそうです。
-- NHK NEWS WEB