大手電線メーカーの「フジクラ」は、電線や通信用ケーブルなどの製品の一部について、顧客との間で取り決めた品質検査を行わないまま出荷するなどの不正が見つかったことを明らかにしました。
フジクラの発表によりますと、送配電用の電線や通信用のケーブルなどで、顧客との間で取り決めた検査項目の一部を省いたり、試験や検査の書類に実際と異なる結果を記載したりした不正が、合わせて70件確認されたということです。
こうした不正はフジクラ本体や子会社の合わせて10か所の生産拠点で見つかり、古いものは31年前に行われていたということです。
不正があった製品は、民間企業のほか防衛省も含めて少なくとも66の取引先に納入されましたが、これまでの社内の調査では安全上の問題は確認されていないということです。
記者会見したフジクラの伊藤雅彦社長は「関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけし、おわび申し上げます」と陳謝しました。
また会社がこの問題の可能性を去年12月に把握していながら発表が31日になったことについて、伊藤社長は「隠蔽の意図は全くない」と述べました。
会社は外部の弁護士による調査を進めていて、年内に原因を究明したうえで再発防止に取り組むとしています。
-- NHK NEWS WEB