アメリカのトランプ大統領は、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉で、目標だった8月中にカナダと折り合えず、すでに合意しているメキシコとの2国間の協定に署名する方針をアメリカ議会に通知しました。メキシコとの合意には、現地に進出する日本の自動車メーカーへの影響が大きい内容が盛り込まれ、実際に合意が発効するかが焦点です。
NAFTAの再交渉をめぐってアメリカのトランプ政権は先月27日、まずメキシコとの協議で自動車の関税をゼロにする新たな基準などで合意したことを受け、残るカナダと協議を行いました。
トランプ政権は、8月中にカナダとも合意して、新しいNAFTAの協定に署名する前に必要なアメリカ議会への通知手続を終えたい意向でしたが、カナダとは農業分野などでの協議が難航し、折り合いませんでした。
このためアメリカ通商代表部は31日、トランプ大統領がメキシコとの2国間の協定に署名する方針を議会に通知したと発表しました。
アメリカ通商代表部はカナダが望めば議会に通知する手続きをとるとしていて、来週5日、カナダのフリーランド外相と会い協議を続けるとしています。
ただトランプ大統領はNAFTAをやめてメキシコとの2国間の協定に切り替えてかまわないとも主張していて、1994年に3か国で発効したNAFTAの先行きは不透明になっています。
またアメリカとメキシコとの合意には、自動車の関税をゼロにする条件として、現地で調達する部品の比率を引き上げることや、アメリカへの輸入車の数を事実上制限する措置が盛り込まれています。
これらの措置は、メキシコに進出しアメリカへと輸出している日本の自動車メーカーにとって影響が大きく、今後、実際に合意が発効するかが焦点です。
-- NHK NEWS WEB