アメリカのトランプ大統領は、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉で、目標だった8月中にカナダと折り合えず、すでに合意しているメキシコとの2国間の協定に署名する方針をアメリカ議会に通知しました。カナダとの協議は引き続き難航しそうで、メキシコとだけの協定には議会に反対意見があり、NAFTAの見直しには課題が多く残されています。
NAFTAの再交渉をめぐってトランプ政権はメキシコに続いてカナダとの合意を目指して協議しましたが、目標だった8月中の合意はできませんでした。
このためトランプ大統領はメキシコと2国間だけの協定に署名する方針を議会に通知したうえで、カナダとは協議を続けるとしています。
ただ、カナダのトルドー首相は「悪い合意をするくらいなら、合意しないほうがよい」と述べ、アメリカが求める乳製品の市場開放などに、一方的には応じないという姿勢を示していて、協議は引き続き難航しそうです。
一方、アメリカとメキシコで合意した2国間の協定には自動車の関税をゼロにする条件として現地調達の部品の比率を引き上げることや、アメリカへの輸入車の数を事実上、制限する措置など、メキシコに進出している日本の自動車メーカーなどへの影響が大きい内容が盛り込まれています。
この合意が発効するにはアメリカ議会の承認が必要ですが、議会にはカナダがNAFTAから離脱すれば、経済への悪影響が大きいとして、メキシコとだけの協定に反対意見があります。
トランプ大統領の思惑どおりにNAFTAの見直しが進むには、課題が多く残されています。
-- NHK NEWS WEB