世界の研究開発の動向を分析している文部科学省の研究所は2016年の状況を報告書にまとめ、各国が研究開発費を伸ばした一方、日本は前の年より5000億円余り減少していたことがわかりました。
文部科学省の科学技術・学術政策研究所は毎年、主要な7か国を中心に研究開発の動向を分析していて、このほど2016年の状況をまとめました。
それによりますと、日本の研究開発費の総額は18兆4300億円余りで、アメリカの51兆1300億円余り、中国の45兆2400億円余りに次いで3位となり、前の年と順位は変わりませんでした。
しかし、アメリカや中国、韓国などほとんどの国が総額を伸ばしたのに対し、日本は前の年より5000億円余り減らし、2年連続の減少となりました。
また、科学技術分野の論文数について2004年からの3年間の年平均論文数はアメリカに次いで2位だったのに対して、今回、2014年から2016年の3年間の平均論文数を集計したところ、中国とドイツに抜かれて4位と順位を下げました。
研究開発費の減少について科学技術・学術政策研究所は「政府の科学技術予算が伸び悩んでいるうえ、研究開発の多くを担う企業が中国の景気減速を受けて研究開発の経費を抑えたことが影響しているのでは」と分析しています。
-- NHK NEWS WEB