都内の一部の小学校では、子どもたちのランドセルなどの荷物が重すぎるという声を受けて、自宅で使わない教科書などを教室に置いて帰ることを認める動きが出ています。
このうち、東京・新宿区の教育委員会はことし2月、「子どもたちの荷物が重すぎる」などという保護者からの指摘を受けて、各小学校に対し、荷物の一部を教室に置いて帰ることを認めるなどの配慮をするよう求めました。
区立落合第六小学校では、音楽や図工の教科書のほか、鍵盤ハーモニカ、それに宿題で使わない場合にかぎって、計算ドリルや国語ドリルを学校に置いて帰ってもいいことにしているということです。
また、世田谷区にある昭和女子大学付属昭和小学校は、1年生から2年生に対して、すべての教科書を学校に置いて帰るよう指導しているということです。
この小学校では、ランドセルの代わりに、薄いショルダーバッグで登下校できるよう、宿題をプリント1枚にまとめて出すなどの工夫もしているということです。
こうした動きが出ている背景には、ランドセルなどの荷物が以前とくらべて重くなっている現状があると言います。
教科書の出版社などで作る「教科書協会」の調べによりますと、平成27年度に小学1年生から6年生の児童が使用したすべての教科書の合計のページ数は6518ページで、10年前とくらべて34.2%増えていたということです。
その理由について教科書協会では、学習指導要領で教える内容が増えたことや、教科書がB5サイズからA4サイズに大きくなったことなどが挙げられるとしています。
教科書会社では荷物の軽量化を目指して、より軽い教科書用紙の開発に取り組んでいるということです。
-- NHK NEWS WEB