大学生の新卒採用の解禁時期などを示した指針について、2021年春の入社から廃止が検討されることを受けて、大学では、影響を受ける現在の2年生を中心にさまざまな意見が出ています。
東京 豊島区にある立教大学で意見を聞くと、2年生の女子学生は「所属する合唱サークルでは3年生になっても練習があるので、就職活動があまり早くなると困る。今のルールをもとに学生生活の設計を考えているのに急に変えてほしくない」と話していました。
同じく2年生の男子学生は「将来のことを考えるのが大学3年生の後半からでは遅すぎるので、就職活動を始めるのは早いほうがよい。自分が最適だと思った時期にできるのがよいのではないか」と話していました。
一方、現在の指針のもとで就職活動を行う3年生の男子学生からは「実態として企業の中には選考が解禁される6月にはすでに内定を出しているところもある。今のルールは形骸化しているので、なくしてもよいのではないか」という意見も聞かれました。
立教大学キャリアセンターの神山正之事務部長は「指針が撤廃されると就職活動が長期化し、学業や課外活動、留学などの機会が失われてしまう。その結果、自己分析や業界・企業を知る時間的余裕がなくなり、就職先とのミスマッチが増えて、学生にも企業にもプラスには働かないのではないか。大学生活でさまざまな経験をして社会に出ていけるよう、何らかの指針は必要だ」と話していました。
-- NHK NEWS WEB