手で持ち運べるほどの超小型衛星を安い費用で打ち上げようと、新たに開発された世界最小クラスのミニロケットが11日午前8時48分に、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられます。現地ではロケットを発射台に据え付けるなど準備が進められています。
打ち上げられるのは、高さ9メートル50センチ、直径50センチ余りと、電柱ほどの大きさのミニロケットで、JAXA=宇宙航空研究開発機構が超小型衛星を打ち上げるために新たに開発しました。
JAXAによりますと、衛星を打ち上げるものとしては世界で公表されているロケットの中でも最小クラスだということです。現地では早朝から発射台への据え付けが行われるなど、準備が進められています。
搭載されるのは高さ35センチ、重さが3キロの超小型衛星で、地球の上空を回る軌道に投入して、地上とのデータのやり取りや地上を撮影する実験が行われます。
ロケットと衛星のいずれにも、スマートフォン用のカメラや家電製品に使われる電子部品など、一般に広く利用されている民生品が使われ、今回の開発と打ち上げにかかる費用はおよそ4億円と、JAXAのほかの人工衛星の打ち上げに比べて、数十分の1に抑えられています。
ミニロケットは天候に問題がなければ、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から、午前8時48分に打ち上げられます。
超小型衛星には通信や地球観測による新たな宇宙ビジネスの市場を広げると世界で関心が高まっていて、JAXAは今回の打ち上げで得られる技術を民間企業に積極的に活用してほしいとしています。
-- NHK NEWS WEB