経済成長で物流の需要が高まるインドで、鉄道による貨物輸送を拡大していこうと、日本とインドは主要都市のデリーとベンガルールを結ぶ、およそ2200キロの区間で、大規模な貨物鉄道の実証実験を行うことになりました。
インドは経済発展に伴って物流需要が高まっていますが、貨物鉄道のダイヤが整備されていないことから、定時運行が確立されず利用が広がっていません。
このため国土交通省は、日本のノウハウを生かして鉄道による貨物輸送を拡大していこうと、インドと共同で初めてとなる大規模な実証実験を行うことになりました。
具体的には、主要都市のデリーとベンガルールを結ぶおよそ2200キロの区間でダイヤを設定し、合わせて40両に上る貨物列車を今月下旬に運行します。輸送するのは自動車のほか、電化製品、食料品、日用品などで、業務を受託した物流大手の「日本通運」が現地企業とともに、デリーとベンガルール間を片道3日で定時運行する計画です。
日本とインドは最大の商業都市ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶおよそ500キロの区間で、新幹線技術を導入した高速鉄道の建設を進めることですでに合意しています。
日本としては今回の実証実験を通じ、貨物鉄道の分野でもインドとの関係強化を図るほか、大量の物資を運べる鉄道輸送を充実させることで、現地に進出している日本企業のビジネスを後押しする狙いもあります。
-- NHK NEWS WEB