大手電機メーカー、三菱電機が、うつ病を発症した元社員の男性に違法な長時間労働をさせていたとして、神奈川労働局は11日、三菱電機と当時の上司を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。
三菱電機の元社員で、神奈川県鎌倉市にある研究所で半導体レーザーの研究をしていた31歳の男性は、うつ病を発症して去年6月に解雇され、労働基準監督署は、去年11月、月100時間を超える長時間の残業がうつ病が発症した原因だとして労災認定しています。
この問題で神奈川労働局は、三菱電機が、当時入社1年目だった男性に対し、平成26年1月中旬から2月中旬までの1か月間、労働組合との取り決めの上限を超える違法な長時間労働をさせていたとして、11日に三菱電機と当時の上司を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。
これについて三菱電機は「真摯(しんし)に受け止め、関係者におわびします。現在はすべての事業所で労働時間を客観的に把握するシステムを導入しており、適切な労働時間の管理を徹底したい」とコメントしています。
元社員の男性はNHKの取材に対し、「会社には労務管理がおかしいなどと訴えてきましたが、聞き入れてくれませんでした。労災認定や書類送検をきっかけに、会社の労働環境、そして日本の社会が変わってほしいですし、変わらなければいけないと思います」と話していました。
-- NHK NEWS WEB