バルト海を通ってロシアとドイツを結ぶ新たなガスパイプラインの整備が進んでいて、11日、NHKなどに工事の様子が公開されました。アメリカなどは「ヨーロッパのロシアへのエネルギー依存が強まる」として計画に反対していますが、推進する側のロシアの政府系ガス会社などは「ガスの安定供給に役立つ」と意義を強調しています。
ロシア最大の政府系ガス会社ガスプロムは、西ヨーロッパの大手エネルギー企業5社とともに、バルト海の海底に全長1200キロ余りの天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム2」を整備する計画で、来年末の稼働開始を目指しています。
ことし7月にはバルト海での敷設工事が始まり、11日、その様子がNHKなど一部のメディアに公開されました。
パイプラインの終点となるドイツの町、ルブミンの沖合10キロの洋上では、船からパイプを海底に沈める作業が24時間態勢で進められていました。
「ノルドストリーム2」をめぐっては、ポーランドやバルト3国、それにアメリカなどが、「ヨーロッパのロシアへのエネルギー依存が強まることになる」として反対しています。
これに対して「ノルドストリーム2」の広報担当者は、NHKに対し「ノルドストリーム2はヨーロッパ全体へのガスの安定供給に役立つ」と意義を強調しました。
そのうえで「計画どおりにパイプラインを整備できると確信している」と述べ、ドイツ政府がアメリカの反対を押し切ってパイプラインを引くという見通しを示しました。
-- NHK NEWS WEB