大手機械メーカー、クボタは、鉄鋼メーカー向けの製品で、硬さや成分の配合比率が基準を満たしていないのに、実際とは異なる数値を記載し、基準を満たしているようにして販売していたことを明らかにしました。
これは、クボタが12日午後、大阪市内で記者会見して明らかにしました。
それによりますと、クボタは、鉄鋼メーカーが鋼板などを薄く延ばす際に使用する、圧延用ロールと呼ばれる製品について、顧客との間で取り決めた硬さや金属の配合比率を満たしていないにもかかわらず、検査成績書に実際とは異なる数値を記載して、基準を満たしているようにしていたということです。
ことし7月、社員からの内部通報で発覚し、調査を進めた結果、ことし7月までのおよそ5年間に販売した2万1035本のうち、延べ4398本で不正が見つかったということです。
これらの製品は国内外の99社に納入され、このうち85社で不適切な製品の納入が確認されたということですが、これまでのところ、製品や製造設備に影響が出たという情報は寄せられてないということです。
クボタによりますと、昨年度のこの製品の売り上げは44億円で、国内シェアは推定で35%だということです。
クボタでは、外部の法律事務所が原因などの詳しい調査を進めているとしていて、再発防止策などをまとめることにしています。
クボタの木股昌俊社長は記者会見で、「事実関係と原因分析を踏まえ、再発防止を図りたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB