東京都は、赤字経営が続いている「工業用水道」について、4年半後の2023年3月末で廃止することを決め、廃止に必要な条例案を今月19日に開会する東京都議会の定例会に提出することになりました。
これは、12日に開かれた都議会の議会運営委員会で都側が明らかにしました。
東京都の工業用水道は昭和30年代から整備され、工場での鉄鋼の冷却や金属・皮革製品の洗浄などに使われてきましたが、利用する企業などがピーク時の3分の1以下となり、赤字経営が続いています。
このため、都は工業用水道を2023年3月末に廃止することを決め、今月19日に開会する都議会の定例会に、廃止に必要な条例案を提出することになりました。
都は、条例案が可決・成立すれば、来年4月以降、利用者を対象に上水道への切り替えを進める方針ですが、一部の業界では工業用水道と比べて割高な上水道の使用は大きな負担となります。
これについて、都は、工業用水として利用している企業などに対して、来年4月から10年間、料金を据え置き、その後の10年間で段階的に料金を引き上げる支援策を講じるとしています。
このほか、工業用水道の廃止に伴う設備の撤去費用や上水道の設備の設置費用なども都が全額負担するということで、廃止のコストと支援策の総額はおよそ965億円を見込んでいるということです。
-- NHK NEWS WEB