出版大手の講談社の編集次長が妻を殺害したとして逮捕された事件で、夫婦は事件の直前に子育ての不満をメールなどでやり取りしていたことが、警視庁への取材でわかりました。警視庁は事件の背景に子育てをめぐるトラブルがあったと見て調べています。編集次長は「黙秘します」と供述しているということです。
出版大手の講談社で、人気漫画雑誌「モーニング」の編集次長を務める朴鐘顕容疑者(41)は去年8月、東京・文京区の自宅で妻の佳※ナ子さん(38)の首を圧迫して殺害したとして、殺人の疑いで警視庁に逮捕されました。
警視庁は、朴容疑者が帰宅した午前1時すぎから、みずから119番通報する午前2時45分までの間に、妻は殺害されたと見ていますが、帰宅直前まで夫婦の間で子育ての不満をメールなどでやり取りしていたことが、警視庁への取材でわかりました。
これまでの調べで、夫婦には4人の子どもがいて、妻は「子育てが忙しくて負担だ」などと不満を訴え、朴容疑者は「対応する」などと返答していたということです。
朴容疑者は当初、「子育てなどについて話したあと妻が自殺した」などと説明していたということで、警視庁は事件の背景に子育てをめぐるトラブルがあったと見て調べています。
警視庁によりますと、調べに対し朴容疑者は、「黙秘します」と供述しているということです。
佳※ナ子さんは、平成16年からおよそ5年間、都内の人材サービス会社に勤務し社内の業務システムの構築に携わるなど、真面目な仕事ぶりだったということです。
また、この会社の同僚によりますと、およそ10年前に、逮捕された夫と結婚したということで「会社に勤めているときに結婚して子どもも授かり、夫婦の仲もよさそうでした。事件の話は信じられません」と話していました。
※ナは「菜」の草冠の下が「爪」でその下が「木」の文字です。
-- NHK NEWS WEB