海運業を支える船員の人手不足が問題となる中、日本の大手海運会社がフィリピンに船員を養成する大学を設立し、開校式が行われました。
この大学は日本の大手海運会社「商船三井」が、現地の船員派遣会社と連携して、フィリピンの首都マニラ近郊に設立したものです。
12日に行われた開校式には、商船三井の池田潤一郎社長やフィリピンの運輸相のほか、競争率およそ100倍の難関を突破した300人余りの学生が参加しました。
大学には3階建ての建物に相当する巨大な貨物船のエンジンが実習用に設置され、学生たちが整備の方法などを学ぶことができるほか、船の操縦を疑似体験できるシミュレーション装置も設けられています。
学生たちは4年間大学で学んだあと、商船三井や現地の船員派遣会社に就職することになっています。
海運業界では石油や液化天然ガスなど、貨物の往来が盛んになっていて、世界的に船員不足が問題となっており、日本の海運業界も高度な技術を持つ船員をどのように確保していくのか課題となっています。
商船三井の池田社長は「フィリピン人は英語ができて明るく、日本人とうまくやっていける。日本の船会社にとって必要な資質がある。良質な船員を供給できる国がかぎられている中で、フィリピンはますます重要になってくる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB