「チーズ製造発祥の地」として知られる北海道安平町では、今も続く断水によって特産のチーズをつくる工房が製造を再開できず、地元の産業への影響が広がっています。
本格的なチーズ専門工場が昭和8年に日本で初めてできた安平町の早来地区は、「チーズ製造発祥の地」として知られています。
この地域で28年にわたってチーズをつくり、俳優の高倉健さんも亡くなるまでの13年間、毎月チーズを買っていたという工房では、今も続く断水の影響で、殺菌や洗浄に使うボイラーを稼働できず、製造を中止しています。
工房では在庫の品質を検査したうえで出荷を続けていますが、在庫にも限りがあるほか、今後、断水が解消されても、売り上げの4割を占める主力商品のカマンベールチーズの熟成には1か月ほど、ブルーチーズは2か月はかかるということです。
工房では、生産量を増やすため、ことし11月の稼働を目指して第2工場を建設中だということで、「はやきたチーズ工房夢民舎」の山本雄二工場長は「早く断水が直ってチーズを提供できるようにしたい。町にも復旧を頑張ってほしいし、会社も手助けできるよう頑張りたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB