アメリカのヘイリー国連大使は、北朝鮮に対する制裁の実施状況をまとめた国連安全保障理事会の報告書から、ロシアの違反行為に関する記述が、ロシアからの圧力によって書き換えられたと指摘し、厳しく批判しました。
国連の安全保障理事会では、北朝鮮への制裁の実施状況をまとめた独立した専門家パネルによる報告書を1年に2回公表し、制裁の着実な実施を各国に求めています。
しかし、今月はじめに公表するはずだった報告書が、ロシアの反対で公表できない異例の事態になっています。
これについて、アメリカのヘイリー国連大使は13日、声明を発表し、「ロシアの制裁違反を示した報告書を書き換えるようロシアが圧力をかけた。独立した報告書の改ざんは許されない」と指摘しました。
そのうえで、ヘイリー国連大使は「報告書は、安保理に北朝鮮と関係国による制裁違反の情報を提供するためにあり、ロシアの干渉は独立した報告書の権威を傷つける受け入れがたい先例となる」として、ロシアを厳しく批判しています。
北朝鮮に対する制裁をめぐって、アメリカは、石油精製品の北朝鮮への輸出に関与しているなどとしてロシアの企業や個人などに独自の制裁を科していますが、ロシアは反発していて、制裁をめぐる両国の不信感が深まっています。
-- NHK NEWS WEB