アメリカのトランプ政権は、イランを支援したとしてタイの企業に制裁を科すと発表しました。イランに対する国際的な包囲網を狭め、圧力をさらに強化する方針です。
アメリカ財務省は14日、すでに制裁対象となっているイランの航空会社「マハン航空」の予約を取り扱うなど支援したとして、タイの企業を資産凍結などの制裁の対象に指定すると発表しました。
さらに、マハン航空はイランの精鋭部隊の革命防衛隊とつながりがありテロ活動に関与していると指摘していて、ムニューシン財務長官は声明の中で「タイの企業はマハン航空との関係を断ち切るよう再三アメリカから警告を受けたにもかかわらず、これを無視した」と非難しました。
アメリカはイラン核合意から離脱したのに伴い先月、イランに対する経済制裁を発動し、日本など各国に対してことし11月までにイラン産原油の輸入を完全に停止するよう求めていて、イランに対する国際的な包囲網を狭め、圧力をさらに強化する方針です。
また、アメリカ財務省は、マハン航空がシリアに戦闘員や物資を送り込むなど日常的にアサド政権への軍事支援を続けていると指摘していて、トランプ政権としてはアサド政権が反政府勢力の最後の主要な拠点、北西部のイドリブ県に総攻撃を行うという見方も出る中、こうした動きをけん制する思惑もあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB