神奈川県の二宮町が職員の残業時間に独自の上限を設定し、上限を超えた分の残業代を30年以上支払っていなかったことがわかり、町は、労働基準法で請求できる過去2年間の未払い分について支払う準備を進めています。
これは二宮町の定例議会で議員から質問が出たことを受け、18日、町が会見で明らかにしました。
それによりますと、二宮町では残業代が出ない管理職以外の職員の残業時間について、月20時間、年間240時間を独自に上限に設定し、上限を超えた分の残業代を支払ってきませんでした。
未払いの金額は昨年度では、管理職を除く職員183人中、上限を超えて働いた81人分の合わせて1300万円余り、資料が残っている過去5年分の総額はおよそ1億1300万円に上るということです。
町の条例では勤務時間外に働いた場合、残業代が支払われると定められていますが、町は人件費を抑えるため法的根拠なく上限を設け、少なくとも30年以上前から未払いを続けてきたということです。
町は労働基準法で請求できる過去2年間の未払い分について、職員に支払う準備を進めているということです。
二宮町の村田邦子町長は「町民の信頼を損ね、対象となる職員についても深くおわび申し上げます。今後は適切に支払っていくとともに、職員の健康管理を第一に、過重な時間外労働が発生しないように改善していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB