アメリカのIT企業アップルが、アイルランド政府から不当な税の優遇を受けているとして、EU=ヨーロッパ連合が追徴課税を命じていた問題で、アップルがおよそ1兆9000億円を支払ったことがわかりました。
世界的な大企業が税率の低い国に利益を移して課税を逃れているという批判が高まっていた2016年、EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会は、アップルの税負担を低く済ませるアイルランドの優遇措置は、EUの法律が禁止している違法な補助金にあたると指摘しました。
そのうえでEUはアップルに131億ユーロを追徴課税するようアイルランド政府に命じました。
これについてアイルランド政府は、18日、アップルが利息を加えて143億ユーロ、日本円でおよそ1兆9000億円を納付したことを明らかにしました。
アイルランドはEUの命令には一貫して反対してきましたが、18日もドナフー財務相が「EUの判断には、はっきりと反対しており追徴課税の命令の撤回を求めているが、EUの加盟国として税の徴収には協力した」とコメントしました。
EUは大企業の課税逃れへの監視を強めていて、去年10月にはネット通販大手アマゾン・ドット・コムへの追徴課税をルクセンブルク政府に命じています。
-- NHK NEWS WEB