仮想通貨の交換サイト「Zaif」から大量の仮想通貨が流出した問題で、流出した仮想通貨は、何者かがインターネット上の3万を超える口座に分散させ、すでに追跡が困難になっていることがわかりました。専門家からは、運営会社の対応の遅れを批判する声が上がっています。
仮想通貨の交換会社「テックビューロ」は、20日、みずからが運営する交換サイト「Zaif」からおよそ67億円相当と見られるビットコインなど3種類の仮想通貨が流出したと発表しました。
筑波大学の面和成准教授らの研究グループは、公開されているインターネット上の口座の取り引き記録をたどって流出した仮想通貨の行方を分析しました。
その結果、ビットコインについては今月14日の午後8時すぎにおよそ43億円相当が何者かの口座に移されたあと、さらに別の口座へと分散する動きが始まりました。
その後、流出から14時間余りたった15日の午前10時以降に分散が大規模化し、その日のうちに3万を超える口座に分散されて追跡が困難な状態になっていたことがわかりました。
ほかの2種類の仮想通貨も同じように分散されていましたが、テックビューロが異常に気づいたのは流出の3日後の17日で、この間に大規模な分散が進んでいたことになります。
面准教授は「流出した時点ですぐに検知できていれば、流出した仮想通貨が追跡でき、分散も抑えられた可能性がある。検知が遅いことは重大な問題だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB