新潮社の月刊誌が、性的マイノリティーの人たちは「生産性」がないなどとする自民党の杉田水脈衆議院議員の論考を擁護する特集を最新号に掲載したことについて、新潮社の佐藤隆信社長は21日、「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」として、差別的な表現には十分に配慮する、などとする異例のコメントを出しました。
新潮社の月刊誌「新潮45」は、ことし7月に発売された号に、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちについて、「子どもを作らない、つまり『生産性』がない」などと記した自民党の杉田水脈衆議院議員の論考を載せ、今月18日に発売された最新号では、論考への非難に反論する特別企画を掲載しました。
これに対し、同じ新潮社の文芸書の編集部はツイッターで、「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」という創業者の言葉を紹介したうえで、最新号に対する作家の批判などを次々とリツイートしていました。
この問題について、新潮社の佐藤隆信社長は21日、「特別企画のある部分に関しては、あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました。差別やマイノリティの問題は文学でも大きなテーマです。今後とも、差別的な表現には十分に配慮する所存です」などとする異例のコメントを会社のホームページ上で発表しました。
-- NHK NEWS WEB