パラ競泳の“レジェンド”、48歳の成田真由美選手が横浜市で開かれているジャパンパラ大会で驚きの進化を見せました。
中学生の時に患った脊髄炎が原因で下半身に障害がある成田選手は20代前半で競泳を始めると、めきめきと実力を伸ばし、パラリンピックはアトランタ大会から北京大会まで4大会連続で出場。
一時、第一線から退いたものの、おととしのリオデジャネイロ大会では2大会ぶりの出場を果たしました。
成田選手が積み上げてきた金メダルの数はパラリンピックですべての競技を通じて日本選手最多の15個。
まさにパラ競泳界の“レジェンド”です。
こうした輝かしい実績に満足せず、成田選手は48歳になったことしに入っても記録を更新、進化を続けています。
ことし6月には女子200メートル自由形で日本記録を更新、そして、23日、出場した女子50メートル背泳ぎでは48秒18をマークして1年前にみずからが出した大会記録を0秒17更新しました。
成田選手が進化を続ける秘密の一つが、その練習量です。
ほぼ毎日、練習拠点としている横浜市内のスイミングスクールに通い、およそ2時間のトレーニングを続けています。
「リオデジャネイロ大会の前より泳いでいる」という成田選手、1日に泳ぎ込む距離はリオデジャネイロ大会前の2500メートルから最近は3000メートルを超えることもざらです。
さらに、水の抵抗を増して負荷をかけるために体に結びつけるトレーニング用のパラシュートは、以前の直径20センチから今は40センチのものを使っているといいます。
一方で、体のケアも欠かしません。
年齢を重ねる中で「疲れやすくなってきたことは間違いない」と週2回、しんきゅう院に通っています。
大手食品メーカーのサポートを受けて、食事の栄養管理も行っています。
23日のレース終了後。
「年を重ねても、記録を更新し続けることをどう思うか」と問うと、成田選手は笑顔でこう答えてくれました。
「いつも聞かれるけど、私は年齢のことをあまり考えていない。ただただ水泳が好きで、0.01秒でもタイムを縮めたいという思いだけ」。
進化を続ける“レジェンド”成田選手は来月、インドネシアで開かれるアジアパラ大会に出場することになっています。
さらにタイムを縮め、私たちをまた驚かしてくれるのか、そして、2年後の東京パラリンピックへの出場はあるのか、成田選手の今後に目が離せません。
-- NHK NEWS WEB