ロシアのプーチン大統領は、選挙で不正があったなどとして混乱が続く極東の地方知事の代行に、みずからに近く、地元住民からも一定の評価を受けているサハリン州の知事を任命し、政権批判に発展しないよう事態の収拾を急いでいることがうかがえます。
ロシア極東のウラジオストクを中心とする沿海地方で今月16日に行われた知事選挙では、プーチン大統領が後押しする与党候補が、開票率99%になって突然、対立候補を逆転し、票の改ざんなど不正があったと抗議する動きが広がりました。
これを受けて地元の選挙管理委員会は選挙自体を無効にしてロシアでは初めてとなる選挙のやり直しを決めましたが、プーチン大統領は26日、同じ極東のサハリン州のコジェミャコ知事(56)を沿海地方の知事代行に任命しました。
コジェミャコ氏は、大統領府長官の補佐官を務めるなどプーチン大統領に近いとされ、3つの地方政府の知事も歴任してきました。
とくにサハリン州などでは前の知事が汚職で解任されたあとを任されて混乱を立て直したとして、地元住民からも一定の評価を受けています。
ロシアでは、政府が進める年金制度改革への不満などからプーチン大統領の支持率が落ちていて、地方の混乱から政権批判に発展しないよう、事態の収拾を急いでいることがうかがえます。
-- NHK NEWS WEB