アメリカの電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOがツイッターの投稿で投資家を欺いたとして、アメリカの証券取引委員会から訴えられた問題で、マスク氏は制裁金を支払ったうえで会長職を退任することになりました。
テスラのイーロン・マスクCEOは先月、ツイッターに「テスラ株を非公開にするつもりだ。株式を買い取る資金は調達できた」と投稿したものの、その後、一転して計画を撤回しました。
アメリカの証券取引委員会は、マスクCEOが株式の取り引き時間中に実際にはない計画を公表して株価を乱高下させ投資家を欺いたとして、27日、ニューヨークの連邦裁判所に訴えました。
そして提訴から2日後の29日、証券取引委員会は、マスクCEOとテスラがそれぞれ2000万ドル、日本円でおよそ22億円を制裁金として支払うことなどで和解したと発表しました。
さらにマスクCEOは、兼任していた会長職を退任し、後任には外部の独立した人物を据えること、テスラはマスクCEOの対外発信を監督する委員会を設置することでも合意したということです。
制裁金は、被害を受けた投資家に配分されるということです。
ただマスクCEOとテスラは、証券取引委員会の主張を認めることも否定することもしなかったということで、裁判の長期化による経営への打撃を抑えるために「スピード和解」を選んだものと見られます。
-- NHK NEWS WEB