日銀が1日に発表した短観=企業短期経済観測調査で、代表的な指標とされる大企業の製造業の景気判断は相次ぐ災害の影響を背景に3期連続で悪化しました。大企業の非製造業も8期2年ぶりの悪化となりました。
日銀の短観は国内のおよそ1万社を対象に3か月ごとに景気の現状や見通しなどを聞く調査で、今回は8月下旬から先月末にかけて行われました。
それによりますと、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値は、代表的な指標とされる大企業の製造業でプラス19ポイントと前回を2ポイント下回り、3期連続で悪化しました。
3期連続の悪化は9年前の平成21年3月の調査まで6期連続で悪化して以来です。
西日本豪雨や台風21号、北海道の地震など相次ぐ災害で物流や生産に影響が及んだことや原材料価格の上昇を背景に、「石油・石炭製品」や「鉄鋼」など多くの業種で判断が悪化しました。
大企業の非製造業も、災害に伴う外国人観光客の減少などを背景に「宿泊・飲食」などで景気判断が悪化し、前回を2ポイント下回ってプラス22ポイントと、8期2年ぶりに悪化しました。
一方、中小企業は、製造業が前回から横ばいのプラス14ポイント、非製造業が前回を2ポイント上回ってプラス10ポイントでした。
景気の先行きについては、大企業の製造業がプラス19ポイント、非製造業がプラス22ポイントと、ともに横ばいでした。
自動車などの業種からは、世界的な貿易摩擦の行方によっては売り上げが減少しかねないといった懸念が出ているということで、自然災害と貿易摩擦の問題が企業の心理を冷やしています。
-- NHK NEWS WEB