ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に京都大学特別教授の本庶佑さんが選ばれたことについて、本庶さんの研究室で学んだ卒業生たちは研究に対する厳しい姿勢を振り返りながら受賞の知らせを喜んでいました。
本庶さんの研究室に18年間所属した東京大学定量生命科学研究所の新藏礼子教授(57)は「これくらいやったらいいだろうという中途半端なことでは絶対に許してくれず、データが信用できない限り絶対に『うん』と言ってはくれなかった」と振り返りました。
また、本庶さんの研究室に6年所属し、今回の受賞理由となったがんの新しい薬である「オプジーボ」の基礎となる研究に携わった日本医科大学大学院の岩井佳子教授(47)は「薬につながる基礎的な成果が出たときには、どの製薬会社も関心を示さない中で、先生は『これは薬になるんだ』と製薬会社に粘り強く訴え続けていました。先生の信念があったからこそ薬が世に出て多くの人が救われることにつながったのだと思います」と研究成果が出た後も苦労していた当時の様子を語りました。
本庶さんは研究室から独立した卒業生に大理石の置き時計を記念に贈っていて、新蔵教授は、仕事机の目のつく場所に置いているということで、2人は「本庶先生が受賞しなければ誰が受賞するんだというくらい待ち続けていたので心の底から喜んでいます」と受賞の知らせを喜んでいました。
-- NHK NEWS WEB