アメリカの新聞、ニューヨーク・タイムズは、トランプ大統領の未公開の財務記録などを分析した結果、トランプ氏が両親から資産を相続する際、不適切な手法をとるなどして日本円にしておよそ470億円にのぼる資金を得ていたことがわかったと報じました。専門家は、脱税の疑いがある行為だと指摘しています。
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズの電子版は2日、トランプ大統領が公開していない過去の確定申告書や財務記録など、10万ページ以上に及ぶ資料を入手し、関係者に聴き取りを行ったとする調査報道記事を掲載しました。
それによりますと、トランプ大統領と兄弟は、ニューヨークで不動産業を営んでいた両親から、主に1990年代に、合わせて10億ドル以上を相続しましたが、法律で定められた税率を適用すればその55%を納税しなければならなかったところを、そのおよそ10分の1に満たない5220万ドルしか納税しなかったということです。
納税を回避するため、見せかけの会社を設立するといった方法は主にトランプ大統領が考案し、そのほとんどのケースで不適切な手法がとられた結果、トランプ氏自身は現在の貨幣価値にして少なくとも4億1300万ドル(およそ470億円)を受け取ったとしています。
さらに専門家の話として、「こうした相続の手法は税法上疑わしく、脱税の疑いがある行為だ」と指摘しています。
一方で、トランプ大統領の弁護士は、ニューヨーク・タイムズに対して声明を出し、「100%、事実誤認であり、ひどい中傷だ」と批判したとしています。
アメリカではおよそ1か月後に議会の中間選挙が控えており、今回の調査報道が、トランプ大統領にとって打撃となる可能性が出ています。
-- NHK NEWS WEB