製品の検査データのねつ造が明らかになった化学メーカーの「宇部興産」は、グループ会社に対して追加の調査を行った結果、製品の試験結果のねつ造など、新たに2件の不正があったと発表しました。
宇部興産では、電力ケーブルなどに使う「ポリエチレン製品」の強度などを示す検査データをねつ造するなど、本社を含むグループ内の6社の合わせて24の製品で、不正が行われていたことが明らかになっています。
会社は、弁護士などで作る調査委員会から追加の調査を行うよう指摘を受け、子会社などの調査を行ったところ、新たに2件の不正が見つかったということです。
このうち、スペインにある会社では、少なくとも20年ほど前から、納入先と取り決めていた原料に関する試験をせず、ねつ造したデータを試験結果として記載していたほか、千葉にある子会社の工場では、製品の試験結果に対する評価を間違えるなどしていたということです。
会社によりますと、いずれも製品の品質や安全性に問題はないということですが、不正に関与した子会社の管理職1人を3日間の出勤停止の処分にしました。
宇部興産は、一連の不正問題の調査は完了したとしていて、再発防止策を徹底して信頼回復に努めたいとしています。
-- NHK NEWS WEB