東京電力・福島第一原子力発電所3号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出すための設備や機器のトラブルが相次いだことについて、原子力規制委員会の更田委員長は3日の会合で「この問題は廃炉の困難が立ちふさがったのではなく、手抜きにすら見える」などと厳しく批判しました。
福島第一原発3号機の使用済み燃料プールには核燃料566体が残されていて、東京電力は、来月中に作業を始めることを目指していましたが、燃料をつり上げる機器と制御盤をつなぐ配線の一部が切れているのが見つかるなど設備や機器のトラブルが相次いで見つかり、作業は早くとも年明け以降に遅れる見通しです。
3日開かれた原子力規制委員会の会合では、原子力規制庁の担当者が、トラブルの背景には品質管理の問題があったと報告し、ことしいっぱい総点検が行われると説明しました。
これについて、更田豊志委員長は「廃炉は厳しいチャレンジが必要だが、この問題は廃炉の困難が立ちふさがったのではなく、手抜きにすら見える」と厳しく批判しました。
そのうえで、更田委員長は問題の責任がメーカーも含めてどこにあるのかなど、品質保証の体制について、廃炉作業を監視する規制委員会の検討会で確認するよう指示しました。
-- NHK NEWS WEB