国連安全保障理事会の議長は、北朝鮮に対する制裁が市民生活を妨げないよう、例外措置の検討が進む可能性を示唆しました。制裁の実施をめぐって、アメリカとロシアなどが対立する安保理の対応が注目されます。
安保理で今月議長を務めるボリビアのロレンティ国連大使は3日、国連本部で記者会見を開き、北朝鮮への制裁について「安保理には市民生活に悪影響を与えるべきでないという明確な共通認識があり、前回の制裁委員会でも例外措置を議論している」と述べて、制裁の実施状況を調べる委員会で今後、例外措置の検討が進む可能性を示唆しました。
安保理は北朝鮮に制裁を科す決議を全会一致で採択していますが、北朝鮮とアメリカや韓国との首脳外交が進む中で、制裁の維持を主張するアメリカと緩和を主張するロシアや中国との立場の違いが鮮明になっています。
さらに独立した専門家による制裁報告書をめぐって、ロシアが自国企業の違反を指摘した部分を削除させたとしてアメリカが反発し、予定より1か月がたっても公表できない異常事態になっています。
ロシアなどは制裁によって医療機器の輸送や銀行を通じた送金などに支障が出ていると主張していますが、アメリカは、例外措置の適用が乱発されないよう慎重な姿勢を崩しておらず、制裁の実施をめぐる今後の安保理の対応が注目されます。
-- NHK NEWS WEB