現金を使わずに買い物をするキャッシュレスをより便利にしようと、顔と手のひらの生体認証だけで決済ができる新しい技術が開発されました。
大手電機メーカーの富士通が開発したこの技術は、すでに実用化されているスマートフォンやICカードを使ったキャッシュレス決済を、“手ぶら”でできるようにするもので、顔と手のひらの静脈を使った生体認証だけで決済ができるのが特徴です。
このうち手のひらの生体認証は、すでに銀行のATMなどで実用化が進んでいますが、キャッシュカードとともに暗証番号の入力などが欠かせませんでした。
手のひらだけで正確に認証するにはデータが膨大となり利用者の数も限られるため、多くの人が使えるようにするには暗証番号など、ほかの情報と組み合わせる必要があるためです。
新しい技術ではデータの処理能力を高めるシステムを開発したうえで、顔と手のひらの認証を組み合わせることで、暗証番号を入力しなくても100万人規模での利用が可能になり、認証にかかる時間も1秒ほどで済むということです。
会社では、2020年度中の実用化を目指すということです。富士通研究所の津田宏さんは「モノを必要としないため災害の時にスマートフォンなどを無くしても、個人の認証を行うことができる」と話しています。
-- NHK NEWS WEB