小型の無人機、ドローンを使って荷物を12キロ離れた場所に運ぶ長距離輸送試験が福島県南相馬市で行われました。経済産業省によりますと、回転翼式の完全自律制御のドローンで10キロ以上先に荷物を運ぶのは世界でも初めてだということです。
この試験は、ドローンを活用した物流の可能性を探ろうと、経済産業省や福島県、それに民間企業などが、ロボットの性能評価などを行う実証区域がある南相馬市で行いました。
試験は、南相馬市小高区から人の操縦に頼らない自律制御のドローンを離陸させ、およそ12キロ北の原町区の海水浴場にいる地元のサーファーに、温かいスープが入ったボトルを届けるものです。
離陸したドローンは時速およそ40キロのスピードで飛行し、15分後には待ち受けていたサーファーにスープを届けました。
経済産業省によりますと、回転翼式の完全自律制御のドローンで10キロ以上先に荷物を運ぶのは世界でも初めてだということです。長距離での試験は、県や市が、企業と複数の地権者などの間に入って調整した結果、実現したということで、県などは、今後も調整役を担うことで、こうした試験を誘致したいとしています。
南相馬市の桜井勝延市長は「今回の成功を機に新しい技術開発への期待が高まり、参入を希望する若い研究者が集まってほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB