ことし8月の給与総額は平均で27万6000円余りと13か月連続で前の年の同じ月を上回りました。
厚生労働省が全国のおよそ3万3000の事業所を対象に行った調査の速報値によりますと、基本給やボーナス、残業代などを合わせたことし8月の給与総額は働く人1人当たりの平均で27万6366円でした。
これは前の年の同じ月に比べ0.9%の増加で13か月連続で前の年を上回りました。
物価の変動分を反映した実質賃金は0.6%の減少となり、ことし4月以来4か月ぶりのマイナスとなりました。
この統計をめぐってはことし1月に調査対象の事業所が一部変更され、規模の大きな事業所で働く人の比率が高くなっていて、専門家からは「賃金の伸びが実態以上に高くなっている」という指摘も上がっています。
厚生労働省は、前の年から調査対象になっている事業所に限ったデータも参考として発表していて、このデータに比べると8月の給与総額の前の年からの伸びは0.1ポイント高くなっています。
厚生労働省は「統計の手法に問題はないと考えているが、参考のデータをより詳しく発表するなど丁寧に説明していきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB