ことしの成人の日に晴れ着を届けられずトラブルとなった「はれのひ」の元社長が、粉飾した決算書などを使って2つの銀行から融資金およそ6500万円をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている事件の初公判が開かれ、元社長は起訴された内容を認めました。
横浜市の晴れ着業者「はれのひ」の元社長、篠崎洋一郎被告(56)は、架空の売り上げを計上して粉飾した決算書などを2つの銀行に提出し、おととし9月に融資金合わせておよそ6500万円をだまし取ったとして詐欺の罪に問われています。
5日、横浜地方裁判所で開かれた初公判で篠崎元社長は「間違いありません」と述べて起訴された内容を認めました。
このあと検察は「金融機関からの借り入れ金を他の銀行の債務返済に充てるなど自転車操業に陥っていた。被告は会社の経営悪化や資金繰りを認識していた」と指摘しました。
「はれのひ」をめぐっては、ことしの成人の日を前に突然営業を取りやめ、新成人のもとに晴れ着が届けられないトラブルが相次ぎ、その後、経営破綻しました。
これについて検察は「会場に費用を払えず、成人の日の数日前には着付けができなくなると思っていた。今思えば『早めに言えばよかった』と思うが、当日は自宅にいて現実に背を向けていた」などという篠崎元社長の供述調書を読み上げました。
-- NHK NEWS WEB