収賄などの罪に問われている韓国のイ・ミョンバク(李明博)元大統領に対して、ソウル中央地方裁判所は「国民と社会に失望と不信を抱かせ、厳重な処罰は避けられない」として、懲役15年の実刑判決を言い渡しました。
韓国で2013年まで5年間にわたって大統領を務めたイ・ミョンバク被告は、みずからが実質的に所有している自動車部品会社の訴訟費用を財閥系企業のサムスン電子に肩代わりさせ、見返りにサムスン電子の会長に恩赦を与えたり、情報機関である国家情報院の資金を不正に受け取ったりしたとして、収賄などの罪に問われました。
裁判で、イ元大統領が「資金は受け取ったが賄賂にはあたらない」などと無罪を主張したのに対し、検察は懲役20年と罰金およそ15億円を求刑していました。
ソウル中央地方裁判所は、5日の判決で「イ元大統領が受け取った金は賄賂だと認められる」としたうえで、「国民と社会に失望と不信を抱かせ、厳重な処罰は避けられない」と述べ、イ元大統領に対し、懲役15年の実刑と罰金およそ13億円を言い渡しました。
イ元大統領は、「健康上の問題がある」として出廷しませんでした。
韓国メディアは、イ元大統領が控訴するかどうか、弁護士が週明けに明らかにすると伝える一方、検察側は、主張の一部が認められなかったとして控訴する方針だと伝えています。
-- NHK NEWS WEB