金融庁から業務の一部停止命令を受けた「スルガ銀行」の有國三知男社長は5日、都内で記者会見し、一連の不正を謝罪したうえで、創業家との関係を断ち切って再建を目指す考えを示しました。
記者会見の冒頭、スルガ銀行の有國社長は「お客様や株主に大変なご迷惑とご心配をかけ、心からおわび申し上げます」と陳謝しました。
スルガ銀行では、創業家出身の前会長らが今回の問題の責任をとって先月辞任していて、有國社長は「120年間、代表者を出してきた創業家は経営から退いた。新しいスルガ銀行を作っていきたい」として、創業家との関係を断ち切って抜本的に経営の見直しを進める考えを示しました。
一方で、創業家が関連会社などを通じて保有するスルガ銀行のおよそ15%の株式を売却する意向を示していることについては「創業家の判断だ」と述べるにとどめました。
また、経営再建にあたって、ほかの銀行などの支援を受けるかどうかについて有國社長は「現時点で具体的な話はないが、選択肢としては捨てない」としました。
スルガ銀行は、先月、前経営陣らの法的責任を追及するため、弁護士などからなる調査委員会を新たに設けていて、有國社長は、委員会の調査を踏まえて、不正に関わった行員の処分も行う考えを示しました。
また、来年4月までの業務停止の期間中に、投資用不動産向けのすべての融資について問題がなかったか調査するとしていて、こうした取り組みが信頼回復にどこまでつながるかが問われることになります。
-- NHK NEWS WEB