東京・豊洲市場の開場を11日に控え、築地市場からの引っ越しが進められています。一方、引っ越しに伴って水産物の取扱量で国内最大の卸売市場が4日間休業するため、仕入れを行ってきた小売店や飲食店は休業期間の食材調達に苦慮しています。
築地市場は、今月6日に営業を終え、市場の業者たちは11日の豊洲市場の開場に向けて引っ越しを行っています。
この4日間は、水産物の取扱量で国内最大の卸売市場が休業となります。
このうち、板橋区と豊島区に合わせて2店舗を展開する食品スーパーは、これまで築地市場で水産物を仕入れてきましたが、休業の間は足立区にある「足立市場」で仕入れを行うことにしました。
9日はスーパーの鮮魚の担当者が足立市場を訪れ、10日までの2日分の鮮魚や練り物など40種類余り、軽トラックで1台分の量になる商品を買い付けていました。
今回の市場の休業に伴い、築地市場で仕入れを行ってきた小売店や飲食店は、休業を見越して事前の仕入れを増やしたり、ほかの市場を利用したりする対応をとっていますが、中には臨時で休業する店もあるということです。
一方、築地市場で仕入れを行ってきた、この食品スーパーは、豊洲市場での仕入れに不安を抱えています。
豊洲市場は東京の臨海部の埋め立て地にあるため、市場には橋を渡っていくことになり、交通渋滞が起きやすいのではないかと懸念しているからです。
このスーパーでは、これまで築地市場で仕入れた商品を運送会社のトラックに午前9時すぎに店舗に届けてもらい、10時の開店にギリギリ間に合わせてきました。
しかし、豊洲市場に移転すると移動時間がこれまでより10分程度増えるうえ、渋滞が発生すると開店時間に商品を店頭に並べることができなくなるおそれがあるといいます。
板橋区にある「いさみ屋」の小竹向原店で鮮魚を担当している小泉充儀さんは「きょうの仕入れで豊洲が開場するまでの間、なんとか魚を確保できてほっとしました。豊洲市場は、商品の品質管理がしっかりしている点は期待していますが、商品が時間通りに店舗に届くのかという不安があります。いまは祈るしかないです」と話していました。
-- NHK NEWS WEB