松山市を拠点とするアイドルグループで活動し、ことし3月に自殺した16歳のメンバーの遺族が、当時の所属会社によるパワハラや過重な労働などが原因だとして、9200万円余りの賠償を求める訴えを起こすことになりました。一方、当時の所属会社の代表は「労働基準法に基づいて活動し、メンバーを傷つけることはしていない」などと反論しています。
松山市を拠点に農業の魅力を伝えるアイドルグループとして活動していた「愛の葉Girls(えのはガールズ)」のメンバーだった大本萌景さん(16)は、ことし3月21日、松山市内の自宅で自殺しました。
母親の幸栄さんと姉は東京都内で会見し、当時の所属会社の代表などに9200万円余りの賠償を求める訴えを、12日に松山地方裁判所に起こすことを明らかにしました。
遺族側は、未成年なのに、労働時間が早朝や深夜に及んでいた上、大本さんがグループから脱退する意思を示すと、会社の従業員からSNSで「寝ぼけたことを言いだしたらマジでブン殴る」などとパワハラにあたるメッセージを送られたと主張しています。
一方、当時の所属会社の「Hプロジェクト」の佐々木貴浩代表取締役は、NHKの取材に対し、「タレント契約になるので時間の制約はないが、労働基準法に基づいて活動していた。きつめの口調で指導したことは多々あるが、傷つけるようなことはしていない」などと反論しています。
-- NHK NEWS WEB