サウジアラビア政府を批判してきたジャーナリストがトルコにある総領事館で殺害されたのではないかという疑惑では、総領事館などの捜索は依然として始まっておらず、真相が究明される見通しは立っていません。こうした中、欧米の企業が相次いでサウジアラビアとの協力を見直すなど、影響はビジネスの分野にも広がっています。
サウジアラビア政府を厳しく批判してきたジャーナリストのジャマル・カショギ氏は、今月2日、滞在先のトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館を訪れたあと行方が分からなくなり、館内で殺害されたのではないかという疑惑が出ています。
トルコとサウジアラビアは合同で捜査を進めているとしていますが、外交特権がある総領事館などの捜索は依然始まっておらず、真相が究明される見通しは立っていません。
こうした事態を受けて、イギリスのヴァージングループは11日、サウジアラビアとの間で進めてきた宇宙事業への出資に関する協議を一時中止すると発表したほか、アメリカのCNNやニューヨークタイムズなどのメディア企業も、サウジアラビアのムハンマド皇太子が主導する経済フォーラムへの協賛を相次いで取りやめると表明しました。
経済改革を進めるサウジアラビアは、欧米や日本に協力を呼びかけてきましたが、事件の影響はビジネスの分野にも広がっていて、外国からの投資の冷え込みにもつながりかねないと指摘されています。
-- NHK NEWS WEB