アメリカのトランプ次期大統領から批判を受けた企業の間でメキシコの工場の建設計画を撤回する動きが相次ぎ、先行きが不透明になっていることから、IMF=国際通貨基金は、ことしのメキシコ経済の成長率の見通しを大幅に下方修正し、1%台後半とする方向で調整を進めています。
関係者によりますと、最新の世界経済の見通しの取りまとめを進めているIMFは、ことしのメキシコ経済の成長率の見通しについて、去年10月時点の2.3%のプラスから大幅に下方修正し、1%台後半とする方向で調整を進めています。
これについて、IMFは、トランプ次期大統領がアメリカの雇用が奪われるとしてメキシコに生産拠点を移す企業への批判を繰り返し、現地の工場の建設計画を撤回する動きが相次いでいることなどで、先行きが不透明になっているためとしています。
さらに、こうした中で、メキシコの通貨、ペソが急激に値下がりし、物価上昇の懸念が高まっていることも要因になっています。
トランプ氏は、保護主義的な貿易政策を打ち出す一方、アメリカ国内ではインフラへの巨額の投資などを掲げていて、IMFは、1週間後に大統領に就任するトランプ氏の政策が世界経済に与える影響を引き続き慎重に分析する方針です。
-- NHK NEWS WEB