低価格をうたう衣料品の専門店やネット通販との競争で、アパレル大手の苦境が浮き彫りになっています。「レナウン」の中間決算が当初の見込みより悪化し、23億円余りの最終赤字となりました。
レナウンが発表したことし3月から8月までの中間決算は、最終損益が当初の見通しから7億円余り悪化し、23億7600万円の赤字になりました。
これは、低価格をうたう専門店やネット通販などとの競争で、主な販路であるデパートでの売り上げが振るわなかったことが主な要因で、ことし各デパートで初めて2回に分けて実施された夏のセールは、猛暑や台風の影響もあって効果は限定的だったとしています。
会社では、来年2月までの1年間の決算では最終的な損益で3億円の黒字を見込んでいると言うことで、レナウンの神保佳幸取締役は記者会見で、「百貨店でのアパレル販売は非常に厳しいところまで追い込まれている。手の届きやすい価格帯の商品を増やすなど、対策に力を入れたい」と述べました。
アパレル大手では「三陽商会」が先月、希望退職の募集によって人員削減を行うことを発表するなど、苦境が浮き彫りになっています。
-- NHK NEWS WEB